最近注目を集めているインターネットファクスですが、セキュリティの面で若干注意が必要です。注意すべき問題とはどういったもので、どうすればそれを回避して安全にファクスが送受信できるかについて解説します。
ファクスは安全な通信経路
ファクスは通常インターネットではなく電話回線を利用しています。電話でも確かに盗聴というのはできるのですが、特別な機器を電話回線のどこかに設置しなければいけません。あなたのオフィスを狙って機器を設置しないかぎり、情報が盗まれることはありません。
実はファクスというのは数十年の間、契約書であったり、個人情報であったりも送れる便利で安全な通信方法として重宝されてきました。よほどの大企業でない限り、かなり安全な通信手段といえます。
電子メールはハガキよりも人目に触れる
電子メールに直接個人情報を書いたり添付して送ることは大変危険な行為です。なぜならば、電子メールというのは、直接相手に届くのではなく、いくつものサーバーを経由して届くものだからです。
経由したサーバーでは一旦メールのコピーが作られます。このコピーはそのサーバーにアクセスする権限がある人は誰でも見ることができます。
そのどこかに悪意がある人がいて、個人情報に該当するメールがあればそれを抜き出して集めるような仕組みをつくることは非常に簡単なことです。電子メールにある個人情報は自動的に集められていると思われたほうが良いと思います。
ハガキだと良識のある郵便局の人しか見ませんが、電子メールはもっと多くの一般の人の目に触れますから、送るほうに注意が必要な通信手段だと言えます。
そのまま電子メールで受け取るのは問題
インターネットファクスを使って、受信したファクスを会社のメールアドレスで受け取るように設定することができます。ファクス文章はPDFとなり、パスワード無しで誰でも読める形式で、インターネットのメールサーバをいくつも経由してくることになります。
もしもファクスの中に個人情報が含まれている場合は、大きな問題になる可能性があります。
ファクスを送った相手は、個人情報なのでわざわざファクスで送ったのかもしれません。相手のファクスがインターネットファクスだなんて思いもしなかったかもしれません。
個人情報を保護することは法律にもなっているように、けっして軽視してはいけない大事な問題です。
電子メールは暗号化すること
もしも個人情報や外部に漏らすことのできない情報を扱う場合は、電子メールでの受渡しは基本的に避けるべきです。しかし、S/MIMEによってメールを暗号化することができます。また電子証明を付けてなりすましや改ざんを検知することもできます。
電子メールを使わないのも選択肢
Webで直接インターネットファクスのサーバーにアクセスして、そこでメールを送る場合は中継されません。Webでアップロードしたりダウンロードした文章はすべてSSL/TLSで暗号化されています。
スマートフォンなどのアプリケーションもWebベースのプロトコルにより通信されますが、これらもSSL/TLSで暗号化されていますので安全です。
まとめ
インターネットファクスでは、ファクスと同等のセキュリティを確保するためには、利用者にもある程度の知識を要求します。
電子メールの暗号化の知識が十分にないのであれば、電子メールで直接受け取ったりすることは避けて、Webでの送受信を行っていれば安全かつ便利に利用することができます。